作業台ガイド
木ねじと下穴の寸法・保持力
ねじの保持力は下穴寸法、木材の密度、繊維方向によって変わります。Wood Handbookの原則を計算例とともに解説します。
胴部・谷径・下穴
木ねじには滑らかな胴部とねじ部があり、ねじ山の根元の芯の直径を谷径と呼びます。Wood Handbookによると、多くの木ねじの谷径は平均で胴径の約3分の2です。同書の引抜き式は、針葉樹では谷径の約70%、広葉樹では約90%の下穴を前提としています。
表では、Wood Handbook表8-9の胴径を使い、一般的な米国のねじ番手にこの比率を適用しています。実際のねじはメーカーやねじ山の種類によって異なるため、適合が重要な場合は使用するねじの谷径を測ってください。先端がドリル形状のドリルねじは、下穴を不要にする設計です。
| ねじ番手 | 胴径 | 谷径(概算) | 下穴・針葉樹(70%) | 下穴・広葉樹(90%) |
|---|---|---|---|---|
| #4 | 2.8 mm | 1.9 mm | 1.3 mm | 1.7 mm |
| #6 | 3.5 mm | 2.3 mm | 1.6 mm | 2.1 mm |
| #8 | 4.2 mm | 2.8 mm | 1.9 mm | 2.5 mm |
| #10 | 4.8 mm | 3.2 mm | 2.3 mm | 2.9 mm |
密度と保持力
側面にねじ込んだねじの引抜き抵抗は、比重の2乗に比例して増えます。Wood Handbookの試験式はp = 108.25 × G² × D × Lで、単位はNです。Dは胴径、Lはねじ部のねじ込み深さで、いずれもmmです。密度が2倍になると保持力はおよそ4倍になるため、軽いパインでは材料側のねじ山がつぶれるねじでも、オークではしっかり保持されます。
これらは短時間試験での最大荷重であり、設計値ではありません。高密度の広葉樹では、先にねじ自体が引張破断するため、非常に長いねじにしても効果は小さくなります。また、木口にねじ込んだねじの保持力は、側面にねじ込んだ場合の平均75%にとどまり、結果のばらつきも大きくなります。
パーティクルボード
パーティクルボードで通常起こるのは、材料側のねじ山のつぶれです。Wood Handbookでは、ねじ込み深さ15.9 mmの#8ねじの最大トルクを3.16 + 0.0096 × 密度(N·m)としています。600 kg/m³なら約8.9 N·m、800 kg/m³なら約10.8 N·mです。下穴径が谷径の50%~90%の範囲では、引抜き抵抗に有意な差はありませんでした。
引抜き抵抗を確保しながら材料側のねじ山のつぶれを避けるには、控えめな締め付けが適しています。締め付けトルクを最大値の60%から90%へ上げても、引抜き荷重の増加は約3%にとどまりました。
実作業のポイント
同書によると、ねじに石けんを塗ると高密度の木材にもねじ込みやすくなり、引抜き抵抗への影響はわずかです。下穴は割れの軽減にも役立ちます。釘の場合、釘径の約90%の下穴は引抜き抵抗をわずかに高め、特に高密度の樹種で割れを防止・軽減します。
ロブロリーパイン(G = 0.51)に#8ねじ(胴径4.17 mm)をねじ部25 mmまでねじ込む場合:108.25 × 0.51² × 4.17 × 25 ≈ 2,935 N。ホワイトオーク(G = 0.68)では約5,218 Nとなり、およそ1.8倍です。